組曲横須賀の演奏会まで1ヶ月を切りました!
チケット、合唱連での持ち分はほぼ売り切れ!
鑑賞ご希望の方は、よこすか芸術劇場のチケットセンターにお問い合わせください^ ^
さて、組曲横須賀の練習では、今回の演奏会では披露しないものの、今後の横須賀合唱連のレパートリーとして取り入れたい曲の練習も平行して行なっています。
いま、組曲横須賀の練習とともに取り組んでいるのは、「群青」という曲。
この曲は、東日本大震災の原発事故で避難地域に指定された福島県小高(おだか)地区の、小高中学校の生徒の日々のつぶやきを、当時の小高中学校の音楽の先生であった小田美樹先生が編集し、曲をつけた曲です。
この曲の生まれた背景については、坂元勇仁さんの「明日も会えるのかな? 群青 3.11が結んだ絆の歌」に詳細に描かれています。
この「群青」という曲、元々は小高中学校の卒業式で、その年の卒業生が歌うためだけの曲だったそうですが、
東日本大震災復興支援を合唱に特化し行っているHarmony for JAPANの2013年の演奏会にに小高中学校の特設合唱団が招待され、そこで演奏されることとなります。
演奏が始まると会場は感動の渦に巻き込まれ、編曲・出版され、今日に至るまで各方面で多くの反響を呼んでいます。
福島県は知る人ぞ知る、合唱王国。
多くの学校に合唱部があり、聞くところによるとクラス合唱も非常にレベルが高いのだとか。
小高中学校も、とても歌が好きな子の多い学校だったそうです。
しかし、震災とともに避難を余儀なくされ、学校を再開した時に戻ってきたのはたったの7名。
当時は学校は荒れに荒れ、歌を歌う状況ではなかった、と小田先生は本の中で振り返っていらっしゃいます。
本には、ここには書き切れないほどのエピソードがふんだんに盛り込まれており、この曲の持つリアルな背景を垣間みることができたことは、大きな体験でした。
極限状況の中、「群青」という曲に救われた生徒たちのコメント、
自分たちの曲がこうして全国に広まって行く喜びと、複雑な心境。
そういった背景を知りながら、どんな距離感で歌と向き合うか…
色々なことを考えながら練習をしています。
最後に、編曲譜に掲載されている本山秀毅先生の言葉がとても素敵でしたので、引用します。
「この曲は決して単なる卒業ソングではない。別れを告げることも、再会を誓うことも出来ないままそれきりになった友たちへの心からのエールである。故郷と友、そしてそこで過ごした時間に思いを寄せる「真実のうた」である。真実の中から生み出された言葉と音楽は、どのような創作にも勝り、高い純度を持っている。」